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平成23年度助成プロジェクトの講評を掲載しました。

平成23年度(第19回)は4件の助成が決定。
申請者の部分をクリックすると各助成についての講評がご覧いただけます。

※随時更新します。

応募 申請者 テーマ 希望金額 助成額
ペンキ塗りボランティア隊
谷地頭町商店街の町並み色彩改善Part7 町屋ペンキ塗りワークショップ・XIX 58.3万円 53万円
Hakodate+(ハコダテプラス) 平成24年度函館市西部地区の空き家を磨いてみよう活動 100万円 0万円
はこだて外国人居留地研究会 ①「はこだて外国人居留地 街並み編」B3裏表総カラー・リーフレットの発行とツアー開催 ②「はこだてと外国人居留地 文化編」同上 34万円 30万円
二十間坂友の会
NPO法人はこだて街なかプロジェクト
二十間坂の景観の保全と改善に関する住民の活動 植樹等で緑豊かな坂道を 72万円 67万円
    264.3万円 150万円

 

2012年4月 応募団体への総評
運営委員長 木村 健一

 当基金の助成可能期間も残すところ最長でも2カ年となった。街並みの色彩改善に資する市民のボランティア活動を軸にさまざまな助成を行って来たが、今年度は「空地(からち)に花を咲かせよう」プロジェクトが当初の目的を達成し、活動の最終年度を迎える等、助成の枠組み中では確実に終息にむかっているという実感を得た。これは一種寂しいことではあるが、今年度に採択した「ペンキ塗りボランティア隊」「二十間坂友の会」「はこだて外国人居留地研究会」が、極めて少ない助成金額の中で、市民の手弁当による活動によって大きな成果を継続的に出している事に力強さを感じている。
 街並みの美しさを破壊するオブジェが、二十間坂に登場した事に対する市民の反応は実に素早いものがあった。もちろん、本基金が助成した活動は街並みを「美しくする」のが目的であり、異物の「直接的な除去」を表明したものではない。今、函館市は、「美しい」という言葉をコンセプトにした街並み形成に着手しつつある。「美しい」とは、一見ひ弱な印象を与える言葉だが、国内における街並み形成においては、真鶴町の「まちづくり条例」に記載され、もっとも力強い言葉として再定義され多くの市町村に影響を及ぼしている。
 函館には、この美しさを街並み形成という具体的な表象として具現化してきたDNAがある。DNAの姿を「壁のこすりだし」活動によって再発見し、わかりやすく共有を図ったのが当基金の発端であった。市民のわき上がるような「美しさ」の発見にかける無償の活動から始まったのである。市民による街づくり活動は、大規模な再開発手法のようなダイナミックな消去と再構成を行わない。コンセプトを共有し、日常生活のペースの中で、凪のように見える様々な活動の集積として継続されていく。この凪の中にあって、街並みの美しさを損なうオブジェやぎらぎらとした看板や高層マンションの計画者は、美しさの強さに長い時間の中で退潮を余儀なくされるのではないか。助成期間の終了後も「二十間坂友の会」は街路樹の成長と「手入れ」によって、「はこだて外国人居留地研究会」は歴史の継承という力によって、「ペンキ塗りボランティア隊」は若者達の意気によって、脈々と「美しさ」の絶えない凪が作られて行く事を期待している。


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