雪の幻想


  

   東本願寺函館別院。
  鉄筋コンクリート造だと言うこのお寺。
  台湾の青年が声を掛けてきた。
  「これは神社ですか?」 

聖ヨハネ函館教会。
  柔らかな明かりは、まるで
神様が救いの手を
差し伸べてくれているようだ。
 
   風見鶏のあるカトリック教会。
  荘厳なたたずまいの向こうに
  喧騒の街が明るく輝いている。

月亮と葱坊主。
  こんな明かりもありました。

   雪に埋もれた石垣の向こうに
  神々しいまでの冷ややかなたたずまい。
  これが函館のエキゾチックを代表する
  ハリストス正教会。






水道局元町配水場。
  この雪山を越えたら・・・ 
そんな気にさせる。
温かいぬくもりと
団欒が待っています。
  私もそろそろ限界です。
今夜もシバレルねえ。
 
           
   冬の明かりには、温度差がある事に、
  ふっと、気がついた。  
  開拓使の旧書籍庫、レンガが
  とても温かそう。
八幡坂より摩周丸を望む。
   両側のきらびやかな電飾。その行き着く所に
   函館の誇る光の群れが燦爛と輝いている。

 冷たく積もった雪の向こうに、
こんなにも艶やかな
街の灯が浮かんでいた。
土手にはこんもりと雪の山。
坂道を下って行くと、まばゆい光に
  手が届きそうだ。
 一本の街灯の白い光が、さりげなく
こんな情景を映し出している。
寒そう。シバレルかい?



   粉雪が舞うシーンへ
瓦屋根、整然と並ぶ鉄の柵、
急勾配を滑る雪、そして雪の山。
  雪は明日も降るのだろうか?
こんな懐かしい情景に出会った。
積み上げられた雪の山、
黒くくすんだ下見板、今にもずり落ちそうな
軒の雪、温かい灯りがもれる雪の縁側。
昔はそこに語らいがあった。
ステンレス製のモニュメントは、
飽くまでも冷たい光を放っている。
雪に残る踏み跡は、
恋人達のものだろうか。
ここから眺める夜景も又、美しい。



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