それ以外の者を館長の許可事項にしています。このような制限を設ける公共図書館は全国でも少なくなりつつ
あります。とくに道南地域では公共図書館の数が少なく、規模も小さいことからもこのような制限条項は好ましく
ありません。上記の制限条項を撤廃し、さらに一部貴重資料などの館内閲覧専用資料を除いて郵送による貸し出し
や返却も可能にすることが必要ではないでしょうか。道南全域はもとより全国からも利用できるようにすることで
図書館の利用率も高めることを追及するべきです。

 

 D 返却処理を根本的に改善する

 現図書館では開架式書棚からの資料の返却は利用者自身が書棚に戻すシステムを取っています。
このようなシステムを取っている公共図書館は全国でも稀有といえます。この方式には次のような
根本的な欠陥があります。

ア、利用者が蔵書資料を所定の場所に間違いなく戻すとは限らないため、所定の場所に
  見つからない可能性が大きくなり、特別整理期間での書棚整理にも時間がかかる

イ、返却時の蔵書資料の点検をしないため、意図的に別の物にすりかえることが可能

ウ、返却手続きを終えたうえで意図的に貸し出し手続きなしに持ち帰ることが可能

エ、返却時の清拭作業をしないため蔵書資料が汚れやすく、次の利用者に不快感を与える

 本来、返却された蔵書資料の書棚への収納は図書館員がするべき業務であり、利用者に
させるべきことではありません。また、返却受け付けの際には蔵書資料を点検するべきであり、
さらに一定回数の貸し出しを経た蔵書資料は清拭するべきです。これはすでに全国の多くの
公共図書館がかなり以前からしているごく当たり前のことです。現図書館ではこうした状態を
改善せず、市民に不必要な負担をかけ、かつ資料の探索等にも不便をきたしています。

 私たちはこうした蔵書資料の管理方法の根本的な改善を求めます。

 

 E 蔵書資料を受け入れ時にきちんと製本する

 現図書館ではほとんどの蔵書資料を受け入れ後にわずかに背表紙部分を製本するだけで提供しています。
最近になって全面製本が少しずつ増えてきたとはいえ、製本をまったくしないままのものが依然多数を占めています。
この結果、蔵書資料は汚れ方が早く、汚れも大きく、清拭しようにもできない状態で不衛生のまま提供され続けています。
汚い本はだれも借りたくありません。図書館を利用しない人を増やす結果にもつながっています。本を大切にする文化を
育てるどころか、なおざりにすることにもつながっています。

 私たちは蔵書資料をきちんと全面製本してから提供するように改善することを求めます。

 

 F 付帯施設などの利用に過度な規制をしない

 新図書館には視聴覚ホールや研修室などの付帯施設を設けることが構想されていますが、これらを
 利用する場合には管理を優先した過度な規制をしないようにしてほしいと思います。

 図書館の図書サービスだけでなく付帯施設も市民に利用されてこそ意味があります。市民が利用しやすい
ように環境を整えることが市の役割でもあります。したがって、例えば付帯施設を使うには事前に図書館に
届け出た登録団体に限るとか、1週間前に事前に使用願いを出した団体に限るとかの規制を設けて、これに
合致しない場合には直前や当日にその施設が空いているにもかかわらず使わせないといった硬直的な対応を
取ることのないようにしていただきたいと思います

 

 G 使いやすく分かりやすい検索サービス、ネットワークを構築する

 市内の大学、短大および高専の図書館との間でコンピューターによる蔵書の検索システムを構築し、
図書館利用者がだれでも使えるようにすることを私たちは求めます。

 また、これら大学・短大・高専を含めさらに国会図書館を始め全国の公立図書館、大学・高専・短大の
図書館の蔵書をコンピューターで検索できるシステム(インターネット利用による場合を含む)を構築し、
だれでも使えるようにするとともに、これら市外の図書館からの資料の借り受けが円滑にできるシステム
またはその保証策が必要とされています。

 

 H 資料収集費を市民1人あたり最低でも500円とする

 新図書館では表6整理記号?にあるとおり新聞3.8倍、雑誌4.3倍になるのを含めて、の年間図書
 購入冊数も3.6倍を想定しています。現在の資料収集費5,000万円程度ではまったく不十分です。大幅に増額することが
 必要になります。「望ましい基準」としては最低でも市民1人あたり500円、総額として現在の3倍



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